この場合の供養が必要とされる水子霊とは、所謂堕胎(人工妊娠中絶)の扱いを受けて殺害された胎児の霊魂に特化されたものであります。
自然流産によって亡くなられた胎児の場合は、それ自体が胎児の寿命であったと解釈されるので、通常の回向により成仏し輪廻転生出来ます。生後亡くなった乳幼児は通常手厚く供養されるので、やはり本項の水子供養には該当しません。
古代インドの古文献にヴェーダという書物があります。就中アーユルヴェーダ(医学書)の巻末であるウパニシャッド(奥義書)には、『母親の子宮にて精子と卵子が結合し受精卵となる刹那に、カルマ(業)の働きにより霊魂(阿頼耶識)が封入されて人間となる。』と明記されております。胎児は母親の子宮で成長を続け、約1年を母親の胎内で過ごすとされてきました。よって現在においても仏教では数え年を正当として、生まれた時を1歳と致します。満年齢(生まれたときが0歳)は採用せず認めておりません。
つまり最も大切な解釈は、人は受精卵となった時点でもう一人前の人間なのです。心(識)はしっかりと胎児の体に宿っているのです。母親の胎内で育っていく過程で、前世の記憶は意識(表層の心)から消去されて、無垢となって生まれてきます。
しかるに、我が国では昭和23年に優生保護法が施行され、堕胎が合法となりました。ネーミングが醜悪との非難から、平成8年に母体保護法と改組改名されました。これぞまさしく胎児合法殺人認定法と云える我が国最大の悪法であります。もとより我が子が母親の胎内にある間は、親の意志により殺しても構わない、罪に問われないと云うことです。21週目までという制約がありますが、これは旧厚生省の次官通達に拠るもので、決して法律そのものに明文化されてはおりません。親が我が子を殺めるという大罪を犯しながら無罪放免です。我が国にはもはや生命倫理は存在致しません。実に恐ろしく悲しむべきことです。
堕胎児の霊障碍は不思議と両親には向かず、例外なく兄弟姉妹に向けられます。精神錯乱により引きこもり、家庭内暴力、犯罪行為、等の症状が出ます。最悪の場合は傷害殺人の犯罪に至ります。
堕胎児をお持ちのご両親(当たり前ですが父親も全く同罪です)様は、一刻も早く当院にて供養されますことを強くお勧め申し上げます。詳細につきましては面談し御納得の上、贖罪懺悔の生活指導をさせて戴きます。結界法や調伏法を執って除霊する方法では決して解決出来ません。