大仙院について

佛松山 大仙院 縁起(由来)


大仙智明大権現の御分体をいただき、笠岡に持ち帰り勧請奉祀。
境内の松の木は本尊へ向かいパワースポットとも呼ばれています。

 当院は元禄五年(1692) に政範上人によって創建されました。御本尊は大仙智明大権現と称され、伯耆大山に祭祀された本地垂迹神(神仏習合)であります。
 古来我が国では山岳信仰が盛んでした。各地方に霊山があり、祖霊が集う霊場として敬われてきました。山陽地方では鳥取県の伯耆大山を「大神山」と呼び、四国の石鎚山や九州の英彦山と同様に霊山として信仰してきました。
 笠岡在郷の橋野與左右衛門(はしのよざえもん)は若い頃から信心厚く、伯耆大山の大仙智明大権現を信仰しておりました。與左右衛門二十歳の時大病を患い、危篤の最中に日頃信仰しておりました大仙智明大権現が夢枕に立ち、『笠岡の地に我れを齋き祀るべし。』との神託を請け起請します。一命を取り留め快癒した與左右衛門は、出家して名を政範と改め、京都嵯峨野の大覚寺にて修行に励みました。帰郷してから約束通り伯耆大山より大仙智明大権現の御分体を勧請し、奉祀した時を以て当山開創の嚆矢とします。
 草庵を建て祭祀せるも勝縁の土地未だ完全に定まらずにおりました。元禄九年(1696)の春、忝なくも大仙智明大権現が再び政範上人の夢枕に立たれて、『此の処をば伯耆大山の別処と思う事なかれ。我れは常に来住し此の処にて衆生を済度せん哉。その証左として境内庭前の松樹に奇瑞を現し給う也。』夢告を賜りました。翌朝一夜の間に松樹の枝葉悉く本尊様の方面に歸向して、松樹の上に光明を放ち大仙智明大権現の影が出現したのです。この奇瑞に因んで当院の山号を佛松山と号します。

 江戸時代は戦乱が終結して天下泰平となり、国内が安定して経済流通も盛んになりました。庶民は娯楽を兼ねた寺社参詣を許され、江戸からは伊勢参りや金比羅参りが大流行します。各地方でも同様な寺社参詣が行われ山陽道沿いの中国地方では、大山参りと称して伯耆大山に参詣する習慣がございました。しかし貧しい庶民が多く参詣できる人は限られておりました。そこで政範上人が笠岡に大仙智明大権現をお祀りされたおかげで、近郷の多くの人々が大仙智明大権現の御威光に浴することができるようになりました。更に伯耆大山の信仰は広く流布され、往時には各地に大仙智明大権現を祀る堂宇が建立されました。

大山信仰「人は死んだ後に御霊は大山に帰る」


備中・備後地方の人々は寺家の宗派を問わず
必ず一度は『だいせんさん』で死者の霊を供養するのが習わしとなっています。

大仙智明大権現は地蔵菩薩が仮の姿で現れたもの。この地方は昔から伯耆大山信仰が根強くあり、「人は死んだ後に御霊は大山に帰る」と考えられていました。先祖の霊に会い御霊を弔うために伯耆国に参詣していたが、なにぶん遠方のため度々は行けないという悩みがあったが、政範上人が大仙智明大権現を持ち帰ったおかげで近郷の多くの人が先祖の供養を笠岡の大仙院にお参りすることで叶えることができるようになった。

今では備中・備後地方の人々は寺家の宗派を問わず死者の霊は早い時期(四十九日まで)に必ず一度は『だいせんさん』で供養するのが習わしとなっている。死者が生前身に付けていた着物や子供の玩具などを供えると死者に供養の功徳が増して届くとされています。

大仙院参詣について


大仙智明大権現本地佛の地蔵大菩薩に御願いして読経回向を施す

 伯耆大山の山肌を覆う荒涼とした景観は、祖霊が集う他界の霊山として古来より厚く信仰されてきた証であります。揺るぎない山容を誇る伯耆大山の如く、今日に至ってなお当院に参詣廻向の御依頼が絶えぬのは、偏に本尊大仙智明大権現の御威光の發露に他なりません。
 仏教では六道輪廻の教えを説きます。六道とは即ち地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天界道の六つの世界を、輪廻と称して霊魂が生死の循環を繰り返すことです。
 色欲界という現象世界で生命活動をしている我々人間は、生老病死という四苦を逃れることは出来ません。仏教では霊魂の輪環を四有(しう)という言葉で説明します。まず色欲界(六道世界)に人間として生まれてくる瞬間を①生有(しょうう)と云います。次に色欲界で人間として生命活動をしている状態を②本有(ほんぬ)と云います。やがて肉体が死を迎える瞬間を③死有(しう)と云います。
 そして、死有から生有までの期間を中有(ちゅうう)と云います。七日ごとに節を置いて、七×七で四十九日間が中有の期間となります。あの世でもない、この世でもない、中間の異次元世界であることから中有と申します。ですから49日目のことを、中有が満ちて転生するので、満中有(=満中陰)と云います。中有と中陰はまったく同じ意味なのです。
 最も大切なことは、この中有の期間中に人間はどの六道世界に生まれ変わるかが決定すると云うことなのです。決めてとなる要因は、人間として生きた本有の間にどれだけ善い行いをしたか、どれだけ悪い行いをしたか、善悪の行いを天秤にかけた結果なのです。
 しかしながら、大仙智明大権現本地佛の地蔵大菩薩に御願いして読経回向を施せば、罪一等を減ぜられて、再び人間として生まれ変わることが出来るとされております。故人に成り代わり、家族縁者が参りますので代参の証として、故人の衣類や愛用品等を備え祀って回向致します。

 中有の状態は、死有の直後なので霊魂は実体を失っておりますが、五感(眼識・耳識・鼻識・舌識・身識)は僅かに機能しているのです。就中、嗅覚(鼻識)が特に強く残留します。よって自身の衣類には自身の匂いが残っていますので優れた寄り代(よりしろ)となります。
 参詣時期は処により様々ですが、基本的な信仰の有り様は変わりません。

大仙院概要


山 号 佛松山(ぶっしょうざん)
寺 号 海藏寺(かいぞうじ)
院 号 大仙院(だいせんいん)
本 尊 地蔵菩薩
宗 派 高野山真言宗

●住所/〒714-0081 岡山県笠岡市笠岡5240
●電話番号/0865-62-3200

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大仙智明大権現

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